税務調査は突然に

税金といえば節税。節税といえば税務調査。わっはっはっは、税金が安くすんだぞ、と喜ぶ背後に、そーっとそーっと忍び寄る恐ろしい影。それが税務調査です。
「大げさですねぇ」
「で、でもやっぱり怖いですよ。怖いからこそ、経費に何をのせるかなんてのも慎重にならざるを得ないわけで」
「なるほど、抑止力としては正しく働いてるよ・・・ってことなのかな。ではこの最後の授業は少し毛色を変えて、税務調査について話すことにいたしましょう」
日本の税制は申告納税制度であるために、普段は言ったもん勝ちでそのまま申告が通ってくれるのですが、数年に一度など不定期に「本当に正しく申告してますかー」と税務署から調査官がやってきたりします。これが、税務調査というわけです。
「ど、どれくらいの確率で来るわけですかコイツは」
「実調率という言葉がありまして、これが実際に調査へ入った率を示すわけなんですけどね。これによると、個人の所得税ならだいたい1%、法人だとだいたい6~7%が調査に入られるという統計があるようです。」
やはり数字的に見ても、法人のほうが調査に入られる割合が高い・・・と
「調査を必要とするような収入に達してるか否かの割合もありますし、そろそろ来そうだな~と思った個人の方が法人成りしちゃうなんてケースもありますから、単純に論じることはできないですけどね」
いったん調査にやってくると、通常3年分はさかのぼりながらチェックすることになります。ぶん捕れる金がたまってからやってくるという感じで、これが実にいやらしい。いっそ毎年チェックしてってくれりゃ安心できるのに。
「いったん睨まれるようなことをすれば、ちゃんと毎年来てくれるようになりますよ。それこそ鬼の形相で」
「すみませんごめんなさい、私が間違っておりました」