税務調査の対策はどうすればいいか

それじゃあ最後に、税務調査に対する対策ってもんを、ちょっと考えてみるといたしましょう。調査に入るきっかけは様々ですが、「売上」「利益」「利益率」「交際費などの数値異常」といった項目を参考に、「儲かってるからちょっと行っとくか」とか「こりゃ怪しいぞ」となるケースが多いようです。今挙げた項目の順番は、そのまま注目されやすい順にもなっていて、こいつらの変動幅があまりに目につくようだと、怪しいぞランプがピカピカ光る仕組みというわけです。
「ってことは・・・」
「帳簿上で例年通り変化がないってことは、若干でしょうが来る確率は減りますねってことかな」
確実な話ではないですけどもね。つまりはそれが、調査前にうてる対策だと。では調査に入られてしまった後・・・となると、どんな対策が考えられるでしょうか。
「まぁ、対策もなにも、普通に対応して普通に主張するだけですね。おかしなことをしてない限り、基本的にはどれが経費として認められるか否かが論点になるので、ちゃんと『どういう理由で仕事に必要な出費であったのだ』という説明をして、きっちり始末をつけていくことです」
「むぅ、普通の話ですね」
「そりゃそうですよ、脱税指南ではないのですから」
ちなみに自分で対応する自身がないよーという場合には、そのときだけ税理士さんの立ち会いを依頼するというのもひとつの手です。依頼料はだいたい日額5万円~6万円。これを安いと見るか高いと見るかはその人次第ではありますが。
「も、もっとえげつなく、たとえば帳簿ごまかしてみるとか、お金を隠し金庫にしまうとか、そんなスルドイことなんかはないわけですか」
「アンタ、テレビや映画の見過ぎ。そんなことをしてたら捕まりますよホントに」
しかしなんだか一方的に難癖をつけられて、一方的に税金を召し上げられていくような、そんな血も涙もないイメージがあるんですよね。それだけに、なにかこう「一矢報いる」的なザマアミロコノヤロな攻め方というのを、せめてひとつは持ちたいじゃないですか。
「ふむ、そういう意味では、最後の最後に残された手がそれに該当するのかな」
「お、なんかあるんですね。ワクワク」
「前にも出てきた異議申立・・・というやつですね。徹底的に認めないぞー更正でもなんでもしてみやがれーと意地を張り通して、それで更正されたら今度は異議申立をして、それでもダメなら裁判で争うぞと」
それ、確かに攻めてますけどあまりに先っちょが尖りすぎてます。
「ま、あんまり論外なマネはしないようにして、数年に1回の税務調査は「帳簿を見直すよい機会」、んでもってちょこっと取られちゃう加算税あたりは、『見直ししてもらった手数料』だと思えば一番平和なんじゃないですかね」
「うわ!最後になってなんか綺麗にまとめようとしてる!」
「あったりまえでしょう。税理士は表と裏の二面性が大事なんですよ」
では皆さん、最後のしめは「税金はほどほどにちゃんと払いましょうね」ということで。